はてなブログ用CSSの制作はベースにするテーマがない分、予想よりも順調に進んでいて、はてなダイアリーからの移行の2つある障壁のうち、1つは乗り越えつつある。問題はもう1つで、残念ながら、これだけは自力で乗り越えることができない。
その「もう1つ」とはURLのことで、はてなブログでは、次の5形式から選択することになっている。何れも、「http://サービス名.hatena.ne.jp/ユーザーID/」という、はてなの在来サービスの統一感のあるURLからは、大きくかけ離れている。
- http://任意の文字列.hatenablog.com/
- http://任意の文字列.hatenablog.jp/
- http://任意の文字列.hateblo.jp/
- http://任意の文字列.hatenadiary.com/
- http://任意の文字列.hatenadiary.jp/
危惧しているのは、単なるリンク切れではなく、はてなキーワードとの一体感の喪失。はてなキーワードのURLは、はてなダイアリーキーワードだった頃の名残で「http://d.hatena.ne.jp/keyword/」となっていて、はてなダイアリーとドメインを共有している。これを外から見れば、はてなダイアリーとはてなキーワードが「http://d.hatena.ne.jp/」で一括りのコミュニティーとして認識される*1。そして、これこそがはてなダイアリーと他社のブログサービスの最大の違いであり、長所である。
これはtwitterに例えると分かり易いだろう。twitterのURLは、著名なユーザーも無名なユーザーも「https://twitter.com/ユーザーID/」で統一されている。外から見れば「https://twitter.com/」で一括りのコミュニティーとして認識されるし、閲覧者は、同じ建物の中を部屋から部屋へ移動するように、著名なユーザーのアカウントから無名なユーザーのアカウントへ、違和感を覚えず移動することができる。はてなダイアリーでも同様、閲覧者は、同じ建物の中を部屋から部屋へ移動するように、著名なユーザーのブログから無名なユーザーのブログへ、違和感を覚えず移動することができる。
はてなダイアリーでは、この著名なユーザーの役割の一部を、はてなキーワードが担っている。あたかも「http://d.hatena.ne.jp/」というコミュニティーに「id:keyword」という著名なユーザーが存在しているかのように。無論、実在の著名なユーザーや誰が書いているのかよく分からない著名なブログもあるが、存在感は「id:keyword」の比ではない。そして閲覧者は、著名なユーザーのブログから無名なユーザーのブログへ移動する場合と同様、同じ建物の中を部屋から部屋へ移動するように、キーワードからブログへ、違和感を覚えず移動することができる。
これに対して、はてなブログのURLは前述の5形式である。はてなダイアリーのURLをリダイレクトで引き続き使えるようになってはいる*2が、飽くまでリダイレクト*3であって、URLのリライト*4ではない。ブラウザのアドレス欄には問答無用で転送後の、前述の5形式のURLが表示される。いくらブログからキーワードへ大量のリンクが張られ*5、キーワードの側にも「このキーワードを含むブログ一覧」がある*6といっても、誰もはてなブログとはてなキーワードを一括りのコミュニティーとして認識する人はいないだろうし、キーワードからブログへ、著名なユーザーのブログから無名なユーザーのブログへ移動する度、閲覧者は別のサイトであることを意識させられる。
はてなキーワードのURLが今のままであり続けるかは分からない*7が、少なくとも前述の5形式に納まることはないだろう。そうであれば、はてなブログのユーザーに、はてなキーワードと共通のドメインを、現行のリダイレクトより一歩踏み込んだ形*8で使える選択肢を用意しておくことが、はてなダイアリーからの移行を円滑に進め、かつ、他社のブログサービスとの差別化を図る観点から得策ではないか。差し当たり、次の3つの方法が考えられる*9。
- 「http://d.hatena.ne.jp/ユーザーID/」形式のURLを、リダイレクトではなくURLのリライトで使えるようにする。ただし、「entry/」の扱いが微妙で、この部分だけリダイレクトで別に処理するか、或いは「ユーザーID/」の前か後に「blog/」を加えてはてなダイアリーと区別することになるかも知れない。
- 「http://d.hatena.ne.jp/」内にはてなブログのプログラム一式を移植し、前項の場合と同様のURLで使えるようにする。ただし、この場合も「entry/」の扱いが微妙
- 「http://任意の文字列.d.hatena.ne.jp/」形式のURLを使えるようにする。はてなキーワードとの一体感やはてなダイアリーからの継続性は弱まるが、はてなブログの側で前述の5形式のURLと同様に処理するため、はてなダイアリーとの整合性を考慮する必要がなく、容易
なお、はてなグループ日記も将来的にレガシーコードの一掃が課題になり、はてなブログに一本化されることが考えられる。その際は「http://参加中のグループ名.g.hatena.ne.jp/ユーザーID/」形式か「http://任意の文字列.参加中のグループ名.g.hatena.ne.jp/」形式のURLを使えるようにすることが望ましい。
ここまで書いてきたが、今のところ、はてなブログのフィードパックに投稿する予定はない。技術的に未確認な部分が多く、内容に自信がない。短文に収まらない。そして何より、はてなから煙たがられるのが怖い。
外部リンク
*1:Wikipediaの利用者ページにブログ機能が付いているような状態。はてなダイアリーキーワードとは逆だが、このブログの片隅に「Hatena::keyword += diary」と表示しているのも、この関係を強調するため。
*2:【提供終了】はてなダイアリーからのインポート(ブログの移行) - はてなブログ ヘルプ
*3:Apacheのmod_rewriteであれば、RewriteRuleに[R]が付く方
*4:Apacheのmod_rewriteであれば、RewriteRuleに[R]が付かない方
*5:これだけならば他社のブログサービスとWikipediaの合わせ技でもできる。
*6:「このキーワードを含むブログ一覧」をWikipediaに作ることは認められないが、ブログサービスの側に中継ページとして作ることは可能であるし、リンク元検索が拡大され(てい)る可能性もある。
*7:仮に今のURLを続けるのであれば「d」で始まるサービス名、差し当たり、はてなディクショナリー(のキーワード)に変更すべきではないかと、個人的には思っている。
*8:一歩引いた形、かも知れないが。
*9:実現したら、ブログの片隅に「Hatena::keyword += blog」と表示したいと思ってる。ヘッダーのロゴとして表示したいのが本音だが、さすがにそれは無理だろう。