Quietworksの改め文工房

このブログは結果無価値論者の改め文遊びを淡々と晒すものです。過度な期待はしないで下さい。

ユニセフ事務局長はブッシュ政権の残党

 ユニセフの事務局長が来日されていたようですが*1、このアン・ヴェネマン(ベネマン)なる人物は先のブッシュ政権おいて農務長官を務められていた方のようです*2。国内委員会(代理店)としての日本ユニセフ協会だけではなく国連機関としてのユニセフにも警戒するべきということは以前から指摘されていましたが*3、その指摘とは別の意味で納得してしまいました。
 この事務局長が如何なる思想の持ち主であるのかはわかりません。経歴を見る限りは、児童の権利よりも食糧支援に興味があるという印象です。ブッシュ政権を支えた新保守主義者にはトロツキストからの転向が少なくないという話もありますが、実際のところは定かでありません。
 しかし、間違いなく言えることは、ユニセフのような国連機関にも、一部のNGOのようなイデオロギーの強い集団が存在していて、ある程度の影響力を行使しているということです。国連のような組織は、加盟国民の監視が届きにくく、放っておくとイデオロギーの強い集団や任命時の政権に都合のよい人物が主導権を掌握しやすいのです。
 そのようなイデオロギーの強い集団や任命時の政権に都合のよい人物による国連機関の掌握に対抗するには、国内政治やNGOを通じ、国内政治と同等か、それ以上の積極性を以て国連に参加していく他に方法はないでしょう。個別的に協力を渋ることはあっても、それが国連の軽視であってはなりません。間違っても、「国連重視は国益に反する」と言うような論調に賛同するべきではありません。
 幸いなことに国連機関は、民間団体のように特定の思想を有することを参加の条件とすることができません*4。そこにユニセフ日本ユニセフ協会の違いがあるのではないでしょうか。

追記(2009-10-08 18:30)

 批判の対象が国内委員会としての日本ユニセフ協会に限定されたことには、「国連ユニセフと喧嘩しようとする国会議員は皆無だが、一財団法人と喧嘩する議員ならたくさんいる。」*5という、政治力学的な理由があるようです。この中の「国連ユニセフ」を「アメリカ政府」に、「一財団法人」を「ブッシュ政権の残党」に置き換えると、現状に当てはまるかも知れません。

追記(2009-10-14 06:30)

 アン・ベネマン(ヴェネマン)元農務長官の発言が、単純所持の規制が「子どもの性的搾取を止めること」に「有効な措置」であるという認識を除けば真っ当であるという指摘*6に、異論はありません。批判の対象を無意味に拡大するべきではありませんし、この件について具体的に発言していない人物が攻撃されるような事態もあってはなりません。
 気になるのは、異論のない総論に異論のある各論を結び付けてたことが、単なる無知によるものか、それとも何らかの意図によるものかということです。農務長官という経歴から判断すると無知による可能性が高いのですが、ブッシュ政権キリスト教原理主義者に支えられていたことなどを考慮すると、断定もできません。
 余談ですが、「製造過程が犯罪だから」という理由だけでは流通を規制することができません。流通を規制するには、製造によって侵害される法益とは別に、流通自体によって侵害される法益が具体的に示されている必要があります。

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